諦めると妥協の違いは?言い換えに役立つ日本語の基礎知識
「諦める」と妥協はどちらもよく使う日常語ではありますが、厳密には異なるニュアンスを持つ言葉であり、違いを正確に理解しておくことで正しく使い分けられるようになります。
「諦める」と妥協のニュアンスの違いをふまえたうえで、日常会話やビジネスでもきちんと区別して使いこなせるようにしましょう。
【意味の違いはある?「諦める」と妥協の使い分け】
「諦める」と妥協のニュアンスの違いを比較した場合、「諦める」のほうがよりネガティブなイメージが強いといえます。
妥協は交渉事などにおいて、こちら側の要求水準を下げて相手との落としどころを見つける、というニュアンスがあり、一方の「諦める」のほうはこちらの要求そのものをゼロに戻す、取り下げる、というような意味の違いがあります。
実際の感触でいうと、妥協をしてもこちらの要求はある程度実現されますが、「諦める」となると要求そのものを取り下げる形となるため、当初の希望はほぼかなえられない、ということになってしまいます。
たとえば、「新しい住まいを探す」という場合、「住まいについて妥協する」といえば理想と現状のバランスを考えて釣り合いの取れる住まいをピックアップしていく、という意味になり、「諦める」のほうを使えば住まい探しそのものを白紙に戻す、という意味になります。
ボキャブラリーを広げるにあたってはこのあたりの違いについても理解しておきましょう。
【年代でも違いあり?妥協はネガティブじゃない?】
「諦める」、妥協するなどというとネガティブなイメージにしかとられないかもしれませんが、受け取り方は年代によっても違いがあり、必ずしもネガティブな意味でのみ使われるわけではありません。
「彼氏に対して妥協する」などといった場合には要求が半分以上かなえられなかったとしても彼氏との関係のなかで若干優位に立てる、という違いがあり、文脈によっては交渉上手、というニュアンスをもたせることができます。
年代が上がるほどネガティブなイメージとしてとらえる傾向があり、30代、20代の年代では妥協をむしろ次へのステップとしてポジティブにとらえる、という違いがあるようです。
「諦める」と妥協は一見すると違いがわかりにくいようですが、交渉事というシチュエーションで考えた場合、「要求を白紙に戻す」か「要求水準を下げて落としどころを見つける」という違いがあります。
ニュアンスそのものも異なりますので、混同して覚えることのないように注意しましょう。
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